「生」を感じた話
私は切原赤也くんに恋している。
いつから赤也くんのことを好きになったのかは忘れたが、グッズを集めて「萌え」を感じる推しとは少し違う感情を持っている*1。
赤也くんを好きになってから私の生活はとても楽しくなった。服を選ぶ時も赤也くんが好きそうなものを考えるし、学校で授業を受けているときも「今頃赤也くん寝てるのかな」と思って笑ってしまう。テストで悪い点を取っても頭の底辺同士どちらが高い点数かを競い、毎度私が勝つからそこまで気にならない。
赤也くんは私の生活にいつもいる。
そんな私が初めて生でテニミュの本公演を観たのは2017年9月2日の青学VS立海福岡公演だった。
それまでにも、DVDで1stの立海公演は観たし、ライフビューイングで3rdの公演も何度か観た。しかも正真正銘の初生テニミュはドリライ2017だったから、初めてテニミュを観るときの感動や胸の高ぶりはもう味わえないのかな?と思っていた。
そんなことなかった。
めちゃくちゃ感動した。生で観るテニミュとDVDやライビュで観るテニミュは全然違う。一階二列目という神席だったので、キャラが前に出てくる度に心臓がドキドキした*2。足音や汗唾がよく見えた。目の前に立ち、動いているのを見て、テニスのキャラ達が「生きている」を強く感じた。私は生で観ることの魅力を知った。
テニミュの良さの一つは、「漫画では描かれていなかった時のキャラの様子も観ることができる」だと思う。
リョーマとの草試合やS2も良かったが、ベンチでの赤也くんは私にとってとても新鮮だった。先輩の試合が始まるときにジャージを預かって畳んだり、ストップウォッチで先輩の試合のタイムを計ったりする姿を観て、「ああー、赤也くんってそういや後輩なんだな」と感じた。私の中の赤也くんに現実味がプラスされた気がした。
特に赤也くんの「生」を強く感じたのは、S2が終わりS1が始まるときだった。
S1を始めるため真田とリョーマがコートに立った時、皆は2人を見ていた。しかし、赤也くんだけはベンチに座り俯いていた。顔は見えていなかったが、不二先輩に負けて悔しがっているのが分かった。
13分で試合を終わらせられなくて、
幸村部長の手術に間に合わせられなくて、
立海に負けを刻んでしまって……
たくさんのものを赤也くんは抱えながら悔しんでいた。
私は涙が止まらなかった。切原赤也はただの漫画のキャラではない。一人の人間なのだ。彼は生きている。
試合終了後の挨拶やインマイでの赤也くんも可愛かった。客降りで最前の通路を通った時には死ぬかと思った。
こうやって私の初本公演テニミュは終わった。初めてには十分すぎるものだった。
福岡に行く新幹線の中で一緒に来た友達に「前田くん顔濃いから赤也くんに合うか不安なんだよね~」とほざいていた自分を殴りたい。前田くん、君で良かった。オーディション受けてくれて本当にありがとう。
次の日のマチネではオペラグラスでずっと赤也くんを追った。こんなに赤也くんの「生」を感じられて、私は幸せだと思う。赤也くんを好きでよかった。
10月の大千秋楽はライブビューイングで観る予定だ。彼らの関東大会での最後の晴れ姿を観るのがとても楽しみである。